本文へスキップ
Photon Phantom

日本の住空間における光の質と、その選び方

格子状のスリットから暖かな光がこぼれる、暗い壁面の照明器具

日本の住宅は、欧米の住宅と比べて窓が小さく、採光条件が限られていることが多いです。特に都市部のマンションでは、隣の建物との距離が近く、自然光が十分に入らない部屋も珍しくありません。そういった環境の中で、光の質をどう整えるかは、視覚体験に直接影響します。

自然光と人工光の役割分担

自然光は、時間帯によって色温度が変化します。朝の光は青みがかっており、夕方の光はオレンジに近い。この変化に合わせて、人工照明の色温度を調整することで、一日を通じて自然な視覚環境を保つことができます。

日本の住宅でよく使われる蛍光灯は、演色性(光が物の色をどれだけ正確に再現するか)が比較的低いものが多いです。演色評価数(Ra)が80以上の照明を選ぶと、壁の色や飾った作品の色が、より自然に見えます。

マンションの採光条件を活かす工夫

北向きの部屋は、直射日光が入らない代わりに、一日を通じて安定した柔らかい光が得られます。写真や絵を飾るには、実は北向きの壁面が適していることが多いです。直射日光による色褪せの心配もありません。

窓が小さい部屋では、鏡を使って光を反射させることが有効です。ただし、鏡の向きと大きさによっては、かえって空間が落ち着かなくなることもあります。設置前に、昼間の光の入り方を確認することをお勧めします。

照明器具を選ぶときに確認すること

電球を選ぶ際に確認したいのは、色温度(ケルビン値)と演色評価数の二点です。リビングや寝室には2700K前後の電球色、作業スペースには3000〜4000Kの温白色が一般的に合います。演色評価数はパッケージに記載されていることが多いので、購入前に確認してみてください。

照明の選び方に迷ったときは、まず今の部屋で一番長く過ごす時間帯の光の状態を確認することから始めてみてください。そこから、何を変えるべきかが見えてきます。

関連記事

  1. 秋の光をキュレーションする、季節ごとの視覚体験の作り方
  2. 日常の視覚体験を整えることから始める暮らし方
さらに見る

光と静寂が交わる、上質な視覚体験